第1-12回 式の値(基本編)

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さて、計算編もいよいよクライマックスとなってきました。

受験における頻出パターン、それが式の値を求める問題です。

具体的な値を入れる前にいかに式を整理するか、というのも大事ですが、それは結局連立方程式で学んだことの延長線上にあるということを今回は見ていきましょう。

それでは、これまでの知識を総動員して式の値を完全攻略していきます!

今回のポイントはこちら。

式の値で式が足りないときは、いくつかの未知数をひとかたまりと見ろ!

式の値は、結局連立方程式の問題

頻出パターン「式の値」とは:

(例題) a=3,b=4のとき、2a^2\div4b^3\times\frac{1}{2ab}の値を求めよ。

という形の問題のことを言います。つまり、

  1. 未知数の値が(条件として)与えられていて、
  2. (式を簡単にしてから)それらを代入することで具体的な数字を答える問題

だと言えます。みなさんも一度や二度はこういう形の問題を見たことがあるでしょう。

こういう問題は、「とりあえず式を簡単にしてから代入しておけば良い」そう思っていませんか?それも間違いではないのですが、今回はもう少し深く考えることで応用の幅を広げていきましょう

以下の例題を用いてそれを見ていきます。

まず、今回の例題では分からないものがありますね。それは具体的な式の値、つまり今回求めたい答えです。
分からないものは文字で置け!がポイントでしたから、ここでこれをxと置きます。すると今回の例題では、a,b,xという3つの未知数が出てくることになりますね。

未知数の数だけ式を立てろ!というポイントもありました。つまり今回は、:

\left\{
\begin{aligned}
2&a^2\div4b^3\times\frac{1}{2ab}=x\\
a&=3\\
b&=4\\
\end{aligned}
\right.

3つの式を立てればいいわけです。

あとは第1-1回で紹介したポイントを意識して、代入する前に下準備をすると:

\left\{
\begin{aligned}
\frac{a}{4b^4}&=x\\
a&=3\\
b&=4\\
\end{aligned}
\right.

となりますから、あとは代入するだけ代入して、x=\frac{3}{1024}とわかります。

このように、これまでのポイントの組み合わせで問題を解くことができます。
そして結局、本質的に式の値は連立方程式と同じ話であるというのも分かることでしょう。

次の問題では、もう少し複雑な例を見ていきます。

未知数より式の数が少ない!?

さっきのように考えて式の値の問題をやっていると、「あれ、未知数と同じ個数の式が立てられないぞ?」となるときがあります。たとえば:

\begin{aligned}
x+y&+z=0のとき、\\
&x(\frac{1}{y}+\frac{1}{z})+y(\frac{1}{x}+\frac{1}{z})+z(\frac{1}{x}+\frac{1}{y})の値を求めよ。
\end{aligned}

のような問題です。求めたい値をwとすると:

\left\{
\begin{aligned}
x(\frac{1}{y}+\frac{1}{z})+y(\frac{1}{x}+\frac{1}{z})+z(\frac{1}{x}+\frac{1}{y})&=w\\
x+y+z&=0\\
\end{aligned}
\right.

となり、未知数4つに対して式2つですから連立方程式としては解けません

ただこれ、wの値だけなら出せるんです。それはなぜかというと、未知数をまとめて1つの未知数とみなせるからです。

少し他の問題で考え方を見ていきましょう。例えば:

\left\{
\begin{aligned}
a+b&=1\\
3(a+b)&=x
\end{aligned}
\right.

という式について、xの値は明らかに3ですね。a+bをひとかたまりとして見て、上の式を下の式に代入することで答えを得ているわけです。さらに:

\left\{
\begin{aligned}
a+b+c&=1\\
3(a+b+c)&=x
\end{aligned}
\right.

という式のxの値はいくつですか?やはり3ですね。a+b+cをひとかたまりとして見て、上の式を下の式に代入すれば良いのです。

つまり何が言いたいかというと、見かけの未知数の数がいくつであろうと、いくつかの未知数をひとかたまりとして見ることで、実質的な未知数の数を減らすことができるということです。

では元の問題を解いていきましょう。x+y+zをひとかたまりとします。
1式目の左辺を、x+y+zが現れるように変形していくと…:

\begin{aligned}
x(\frac{1}{y}+\frac{1}{z})+y(\frac{1}{x}+\frac{1}{z})+z(\frac{1}{x}+\frac{1}{y})
&=\frac{x}{y}+\frac{x}{z}+\frac{y}{x}+\frac{y}{z}+\frac{z}{x}+\frac{z}{y}\\
&=\frac{x+z}{y}+\frac{x+y}{z}+\frac{y+z}{x}\\
&=\frac{(x+y+z)-y}{y}+\frac{(x+y+z)-z}{z}+\frac{(x+y+z)-x}{x}\\
&=\frac{x+y+z}{y}+\frac{x+y+z}{z}+\frac{x+y+z}{x}-3
\end{aligned}

と、変形できます。
無理矢理にでもx+y+zを出してくるのがポイントですね。

あとはこれに2式目を代入して、答えはw=-3、つまり-3になります。

もちろん、どんな連立方程式でも未知数をひとかたまりと見れば解けるわけではありません。

ただし、式の値の問題として出題されている以上、絶対に答えだけは求められるはずです。
式の値の問題に限れば、ひとかたまりとして見る作戦は非常に有効だと言えるでしょう。

というわけでポイントです。

式の値で式が足りないときは、いくつかの未知数をひとかたまりと見ろ!

今回の宿題

  1. 中学3年の単元「平方根」などから、式の値の問題15問以上

を、今回の説明を意識して解いてみてください。
学校で配られた問題集でも、ネット上の問題でも大丈夫です。

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