第1-8回 文字おきと方程式

この記事は約8分で読めます。
スポンサーリンク

方程式を解くことって、どうしても作業になってしまいがちですよね。
そして実際、その作業さえミス無くできれば計算問題では何の問題もありません。

ただ、受験に出てくるような関数や図形の問題では、自分で積極的に方程式を立てて解く、ということをしなければいけなくなってきます。そうすると、与えられた方程式を機械的に解くだけの中学生では太刀打ちできなくなってしまうのです。そこで必要になってくるのが、今回扱う文字おきの考え方となります。

というわけで、次回以降扱っていく方程式関連の記事への導入という意味も込め、今回は方程式をたてるとは?というところから「方程式ってなんなんだろう」ということを見つめ直していきましょう

今回のポイントはこちらです。

  • 分からないものは文字で置け!
  • 未知数の数だけ式を立てろ!

方程式とは?

方程式とは…ずばり言えば”未知数を求めるための道具”です。

問題を解くとき、いろんなところで「この値が分かればなぁ…」なんてシーン、ありますよね。
そういうときに使う道具が、方程式なんです。

「いや知ってるよ」なんて思いましたか?なら良いのですが…はっきり意識できていない人が意外と多いので、改めて強調してみました。もう知ってるよという人も、少し我慢して読み進めてみてください。新たな発見があるかもしれませんからね。

未知数と変数

方程式は未知数を求めるための道具、なわけですが、「未知数」と似たものに「変数」というものがあります。この違い、分かっていますか??

未知数と変数の違い
  • 未知数…分からない数を文字で置いたもの。
  • 変数…ある範囲の数を、文字を使って代表させたもの。

大事なことは、「未知数は、分かっていないだけで本当は数字が定まっている」のに対し、「変数は範囲の中の数字のどれが入るか定まっていない」ということ。

ざっくり言えばこんな違いです。

例えるなら、未知数というのは仮面をかぶった人です。
仮面をかぶっているから誰かは分からないけれど、仮面を外せば絶対に誰か特定の人がそこにいますよね。

それに対して、変数とは学級委員みたいなものです。
そのクラス、という範囲の中なら誰でもなれるけど、誰か特定の人がならなきゃいけないわけではありません。もちろん、クラスの中から誰か1人を指名して、そこに当てはめることはできますが(これがいわゆる「代入」ってことです)。

このへん混乱しがちなところなので、しっかり理解してくださいね。

そして話は「文字おき」へと繋がります。

文字おき

受験生として一段階レベルアップできるかどうか、それはこの「文字おき」ができるかどうかにかかっているといっても良いでしょう。

では「文字おき」とは何か?それは読んで字のごとく、分からないものを文字で置くということです。

ここ、めちゃめちゃポイントです。何でかというと、文字置きすることで方程式に繋がるからです。

受験問題って関数でも図形でも文章題でも何でも、基本的に分からないものを求めるイコール問題を解くってことですよね?そのとき、もしその「分からないもの」が「分からない数」だったら?それってつまり、未知数ってことです。そして未知数を求めるためには…方程式が使えるんでしたね!

つまり、文字おきというのは「問題っていろんなパターンあるけど、求めたいものがもし数字なら、文字で置いて式立てちゃえば、ただの方程式解く問題になるやん!シンプルやん!」という話なんです。

少し例を出しましょう:

\begin{aligned}
問題:&1時間に3km進む車がある。\\
&4時間走った後1時間休憩し、また走ったところ、\\
&スタート地点から27km進んだところにいた。\\
&休憩時間も含め、何時間のドライブだったか答えよ。
\end{aligned}

という問題があったとしましょう。

分からないものは明快ですね。”何”時間かが知りたいわけです。

だからここで、休憩含めたドライブ時間をt時間とおきます。
これまでなんとなくtとかって置いてた人は、ここを明確に意識しましょう。この後で方程式を立てるために、分からない数、つまり未知数を文字で置いているんだ」って。

時間をtとおいたので、これを使って方程式が立てられますね。
進んだ距離について等式を立てて:

\begin{aligned}
3\times4+3(t-4-1)&=27\\
&t=9
\end{aligned}

よって答えは9時間となるわけです。

文字おきすればただ方程式を解くだけの問題になって簡単になる…なんなら、方程式を解くという簡単な話に落とし込むために未知数を文字で置いているのです。

ただ、最初はやっぱり何を文字で置けば良いのか迷ってしまいがちです。
というわけで方針をあげておくと:

  1. 分からないもの
  2. 問題で聞かれているもの
  3. 動いているもの(動点の進んだ距離とか)

をとりあえず文字で置いておけばおおむねOKです。
まとめてこれをポイントにすると、

分からないものは文字で置け!!

これ、かなり広い範囲で使うポイントなのできっちり覚えておいてくださいね。

方程式が解けるための条件

分からないものを文字で置く、そして式を立てる。

それだけで話が終われば良かったのですが、実はもう一つポイントがあるんです。

\begin{aligned}
問題:&ミカンとリンゴを合わせて10個買った。\\
&ミカンとリンゴをそれぞれ何個ずつ買ったか?
\end{aligned}

という問題があったとしましょう。

分からないものは文字で置け!がポイントでしたから、ミカンをa個、リンゴをb個買ったとします。すると立てられる式は:

a+b=10

しかありません。…これじゃabを求めること、できないですよね。

つまり、文字で置いて式を立てるだけじゃ答えは出ないんです。

この例を見てもらえば分かるとおり、文字おきして式を立てるだけでは答えは出ません。

でもよく勉強している人なら、「もう一つ式が立てられたら、連立方程式になるから答えが出るのになあ…」と思ったはずです。まさにそれがポイントなんです

ここで今回のポイントをもう一つ紹介しましょう。

未知数の数だけ式を立てろ!

例では、未知数がabの2つでした。だから、式を2つ立てなければ絶対に答えは出ないのです。(例題がもし本当にテストとかの問題で出たら、それは完全に問題不備ですね)。

さらに話を発展させましょう。未知数の数だけ式を立てろ、つまり裏を返せば、どれだけ未知数が多くても、同じ数だけ式を立てられるなら答えは出る、ということです。

\begin{aligned}
問題:&ミカンとリンゴと梨を合わせて15個買った。\\
&ミカンよりリンゴの方が2個多い。\\
&リンゴより梨の方が5個多い\\
&ミカンとリンゴと梨をそれぞれ何個ずつ買ったか?
\end{aligned}

まず分からないものを文字で置きましょう。今回はミカンをa個、リンゴをb個、梨をc個買ったとします。

未知数3つですから3つ式を立てたいと考えます。

すると:

\begin{aligned}
a+b+c&=15\\
a+2&=b\\
b+5&=c\\
\end{aligned}

という風に式を立てられます。

こういうときは、基本的に代入法で式の数を減らして解いていけば良いです。(こういう式の解き方はまとめて次回解説します。)

まずは2つ目の式を1つ目と3つ目に代入して、bを消しましょう:

\begin{aligned}
a+(a+2)+c&=15\\
(a+2)+5&=c\\
\end{aligned}\\

これは連立方程式なので、整理すると:

\left\{
\begin{aligned}
2a+c&=13\\
a-c&=-7\\
\end{aligned}\\
\right.

の形の連立方程式となり、この答えはa=2, c=9です。
あとはこれをa+2=bに代入して、b=4が求められます。

このポイントを知っていれば、どれだけ未知数が出てきても怖くありません
ですから、ためらうことなく分からないものはガンガン文字置きしていきましょう!

注意点が一つだけあります。
それは、式の数を数えるとき「同じ意味の式は1つとしてカウントする」ということです。

例えば、a+b=12a+2b=2って同じ意味です。これを別のものとしてカウントすると、1つの式から、両辺をナントカ倍していくだけでいくつも式を立てることができてしまいます。あとは、同じ式の両辺から同じ数を足したり引いたりしたものも、結局同じ意味ですね

実は、公式などを使って式を立てるときはこのミスをしやすいです。公式はいくつかの手順をまとめたものなので、自分が立てた別の式とぱっと見違う形をしていても、本質は同じということがあるからです。

とはいっても公式レベルだとその判別は難しいので、「未知数と同じ数の式立ててるのに解けないな」と思ったら、同じ意味の式があるのかも?と考えればOKです。

今回の宿題

  1. 中学1年の単元「一次方程式」から文章問題10問以上
  2. 中学2年の単元「連立方程式」から文章問題10問以上

を、今回の説明を意識して解いてみてください。
学校で配られた問題集でも、ネット上の問題でも大丈夫です。

タイトルとURLをコピーしました