第1-7回 平方根と整数部分 

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今回は整数部分・小数部分と、ついでに平方根について扱おうと思います。

前回までの因数分解ほど内容盛りだくさんではないので、安心して読み進めてください(笑)

今回のポイントはこちら。

  • √を外すときは符号に注意!
  • 整数or小数部分は、不等式を立てて考えろ!

平方根の注意点

平方根で注意すること、って慣れればあまり無いんですが…受験的に引っかけてくるのは、例えばこんな問題ですね:

\sqrt{(-3)^2}を計算せよ。

いや簡単やん!ルート外せってことでしょ、なら答えは-3しか無いじゃん。
と、思ったあなたは要注意ですね。

何が違うかというと、√って、基本的に正の数ですよね?
\sqrt{2}>0だし、\sqrt{\pi}>0です。

ならもちろん、\sqrt{(-3)^2}>0のはず。
√外した後と√外す前は符号変わらないはずなので…:

\begin{aligned}
\sqrt{(-3)^2}&=\sqrt{9}\\
&=\sqrt{3^2}\\
&=3
\end{aligned}

と考えて、答えは3というのが正しいです。

要するに、√外すときは符号に注意!ってことですね。

例題くらいなら間違えない人も、たとえば:

\sqrt{(2-\pi)^2}を計算せよ。

なんていう風に、中身の符号が分かりづらくされていると間違えることが多いので気を付けてください。

ちなみに、これの答えは\sqrt{(2-\pi)^2}=\pi-2です。

√を外すときは符号に注意!

小数部分と整数部分

平方根を初めとするいわゆる無理数を、小数部分と整数部分に分解するという問題設定は受験では頻出です。

たとえば、\sqrt{11}の整数部分を考えてみましょう。

\sqrt{11}の整数部分をaとすると:

a\leqq\sqrt{11}< a+1

表せます
この表し方、ポイントなので頭の隅に置いておいてくださいね。小数部分は0以上1未満なので、整数部分がaなら全体としてa+1を超えることは無いわけです。

ここで、不等式は辺を全て二乗しても大小関係が変わらないことを思い出しましょう。
辺を二乗すると、

a^2 \leqq11< (a+1)^2

ここまで来て、あとはこの不等式を満たすaを地道に探すわけです。

…そう、地道に探すのです。これくらいならぱっと分かりますけど(a=3ですね)、数が大きくなったりややこしくなっても基本的には地道に探すしか無いです。

余談

余談ですが、整数部分・小数部分の話って、いわゆる「整数問題」に近いところがあります。
というか、ほぼ整数問題ですね。

そんな整数問題ですが、その特徴として「ある程度条件を絞ったら、後は地道に探すしかない」というものがあります。今回なら、不等式で条件を絞ってから、aに当てはまるものを地道に探すわけですね。

地道に探すのも条件を絞るのも割と難しいので、整数問題では点が取れない人が多いです。つまり差になりません。ですので、このサイトでもかなり後の方で扱おうと思っています。

ちょっとややこしい場合を例としてあげておきましょう。

\sqrt{3}+\sqrt{7}の小数部分を求めよ。

小数部分を求めるので、まず整数部分を求めて、それを\sqrt{3}+\sqrt{7}から引けば良いですね。

さてこの整数部分、「\sqrt{3}の整数部分が1で、\sqrt{7}の小数部分が2だから、合わせて3だ!」とか思いませんでしたか?

それは間違いです。なぜなら、それぞれの小数部分を足したら1を超えてしまうかもしれないからです。

ここでもやはり、不等式で確認するしかありません。
整数部分をaとして、不等式を立ててみると:

\begin{aligned}
a&\leqq\sqrt{3}+\sqrt{7}< a+1\\
辺を二乗して、a^2&\leqq(\sqrt{3}+\sqrt{7})^2< (a+1)^2\\
つまり、a^2&\leqq10+2\sqrt{21}< (a+1)^2\\
\end{aligned}

となります。2\sqrt{21}の整数部分が分からないですから、まだ答えは出せなさそうです。ということで2\sqrt{21}の整数部分を考えると:

\begin{aligned}
整数部分をbとする。\\
b &\leqq2\sqrt{21}< b+1\\
辺を二乗して、b^2&\leqq84<(b+1)^2\\
よって、b&=9
\end{aligned}

となりますから、最終的に10+2\sqrt{21}の整数部分は10+9=19とわかります。よって:

4^2\leqq10+2\sqrt{21}< 5^2\\

が成立し、\sqrt{3}+\sqrt{7}の整数部分は4とわかります。

だから答えは\sqrt{3}+\sqrt{7}-4となります。

というわけで、今回のポイントは、

整数or小数部分は、不等式を立てて考えろ!

というところです。
難しい問題でも原則は変わらないので、きっちり覚えてください!!

今回の宿題

  1. 中学3年の単元「平方根」から計算問題10問以上

を、今回の説明を意識して解いてみてください。
学校で配られた問題集でも、ネット上の問題でも大丈夫です。

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