今回は変域について学びます。
変域を主役にした問題ってあんまりないし、ちょっと地味ですよね。
ただその分、急に出てきたときに間違えやすいところでもあります。
試験後に「凡ミスした~」なんて言わないよう、ここでしっかりと確認しておきましょう。
今回のポイントはこちら。
- 二次関数の定義域は0に注意!!
用語の確認
まず、そもそもの用語の確認をしておきましょう。
変域関連の問題では、以下のような三つの用語が使われることが多いです。
変域
変域とは、「変数がとりうる値の範囲」のことを言います。
変数と未知数の違いについては、以前に説明しましたね。
基本的に変数というのは、指定がなければ実数全体を値としてとるような問題が多いです。
しかしたまに、1\leqq x \leqq 3だったり、-3 \leqq yのような制限がつくことがあります。こうやって変数の動く範囲を指定されてしまうと、変数は与えられた不等式にあてはまる値しかとらなくなります。
つまりこの不等式が意味しているものこそ、変数を”変”えられる領”域”だから、縮めて変域というわけです。
定義域
関数において、いわゆるxの変域のことを定義域と言います。
関数って、「ある値を定めると、もう一方の値が決まる」というのが基本の意味ですね。
つまり、定める側の変域を決めることで、関数の形が最終的に決定・定義されると言えます。
例えば下の図を見てください。
左は定義域が実数全体、右は定義域が-1\leqq x \leqq 1です。
グラフの見た目が定義域によって左右されていますね。
だからxの変域のことを定義域というのです。
値域
関数において、いわゆるyの変域を値域と言います。
定義域に対して、出てくる値の範囲だから値域です。
特にひねりはないですね笑
一次関数の変域
一次関数の定義域と値域は、端点を見れば、それぞれが対応していることがわかります。
このようなグラフがあったとしましょう。グラフを読むと、定義域は-1 \leqq x \leqq 1、値域は0 \leqq y \leqq 2ですね。
この場合、
- 定義域の最大値をxがとるとき、yは値域の最大値をとる。
- 定義域の最小値をxがとるとき、yは値域の最小値をとる。
という値同士の対応があります。
このようなグラフがあったとしましょう。グラフを読むと、定義域は-1 \leqq x \leqq 1、値域は-2 \leqq y \leqq 0ですね。
さてこの場合は少し注意が必要です。
- 定義域の最大値をxがとるとき、yは値域の最小値をとる。
- 定義域の最小値をxがとるとき、yは値域の最大値をとる。
というように、右肩上がりの時と反対の対応が値同士にあるのです。
上の2例のように、一次関数の変域については:
- 定義域と値域の端点同士が対応する。
- 右肩上がりなのか右肩下がりなのかで、対応が反対になる。
という特徴があります。これを見てもわかる通り、一番良いのは「グラフを実際に書いて考えること」です。そうすればたいていの問題は間違えないでしょう。
ただ、もし傾きがaなどの未知数で与えられていたら?実際のグラフはすぐには書けませんよね。
そんなときのために、上に書いたような特徴で一次関数の変域を整理しておくと、今後問題を解いていくにあたって強みとなるでしょう。
二次関数の変域
二次関数の定義域と値域については、定義域が0を含まない場合は一次関数の時と同じように端点さえ見ればよいです。
例えば二次関数の比例定数が正で、定義域も正の範囲にあるような以下の場合:
このような場合は端点だけ見て、定義域は1 \leqq x \leqq 2、値域は1\leqq y \leqq 4とわかりますね。
さて、二次関数の変域の本題は、定義域が0を含むときです。
この時は以下のように、必ず値域の最大値or最小値が0になります。
グラフを指でなぞって、0を通るときの特殊さを脳裏に焼きつけておきましょう。
ちなみにこのグラフの値域は、右図が0\leqq y \leqq 4、左図が-1 \leqq y \leqq 0ですね。
さて、問題への取り組み方ですが…二次関数に関しては、うーん、これはグラフを書いた方がいいと思います。
一次関数の時と比べて考慮しなきゃいけない要素(定義域がどこにあるか、グラフはどちら向きか)が複雑になりがちだからです。
気になる人は、それぞれの場合にどう点が対応するのか?というのを自分で考えると、場合分けのいい練習になるかもしれませんね。
では、ここまでをポイントとしてまとめておきます。
- 二次関数の定義域は0に注意しろ!!
いろいろ書きましたが、実践で使うとしたらこれくらいを覚えておけば大丈夫です。
今回の宿題
- 中学2年の単元「一次関数」から、変域の問題10問以上
- 中学3年の単元「二次関数」から、変域の問題10問以上
を、今回の説明を意識して解いてみてください。
学校で配られた問題集でも、ネット上の問題でも大丈夫です。