第3-1回 平面図形が得意になるために意識するべき2つのこと

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平面図形の問題を見たとき、答えを出すために「まずどこから考えれば良いんだろ…?」ってなってしまうことはありませんか?

そして、よく分からないからとりあえず角度分かるところは角度書き込んでみたり、長さ分かるところは長さ書き込んでみたり…でも結局答えが分からなくて詰む、みたいな。

分からないなりにとりあえず色々やってみるのも大事なことですが、毎回それをやっていたら非効率的だし、なにより安定して問題が解けるようにはなりません

というわけで今回は、平面図形が得意になるためにどこを意識して勉強すべきか?という話をしていこうと思います。

平面図形はなぜ難しいのか

平面図形の問題って難しいなあ…と思いませんか?たしかにその通りで、平面図形の問題はこれまで扱った計算関数といった分野に比べて格段に難しくなっています。その理由は、

  1. 覚えなければいけない性質が多い
  2. 問題の図に対して可能なアプローチが、比較的多い

の2つだと言えます。

1.に関しては、もう覚えるしかないです。平面図形というものの性質だと割り切るしかないでしょう。

2.に関してもう少し説明をしましょう。

計算や関数の場合って、きちんと整理すれば割とワンパターンな問題が多いんです。実際、直線の式が欲しかったら点か傾きを探すしかないし、連立方程式を解くためには基本は加減法か代入法しかなかったですね。出題者はいろいろ工夫をこらして違ったように見せかけてきますが、本質的な道筋はワンパターンであるということがほとんどなのですね。

それと対照的に、平面図形の場合はどうでしょうか。平面図形の場合は、求められているものに対して角度・長さ・面積などいろんな観点からアプローチすることができます
たとえば線分の長さを求めるにしたって、三平方で出すのかもしれないし、相似で出すのかもしれないし、もしくは正三角形など特殊な図形の性質を使うのかもしれません。どの方法でアプローチするかによって必要な情報は変わってきます。

そうなると、どれを使うんだろ…?と、問題に取り組むところからさっそく迷ってしまうわけです。(迷うならまだ良いですが、この辺整理できていないとそもそも思いつかないという人も多いですね。)

分かりづらいかもしれないので、ちょっと昔遊びで例えてみましょう。
言うなれば、計算や関数は「だるまさんがころんだ」と同じです。鬼までの道筋は一直線ですが、そこに至るまでの戦略はいろいろあります。
それに対し関数は「かくれんぼ」です。隠れた人たちをまずどこから探せば良いのか?隠れる範囲は決まっていますが、どう探すかという自由度が高いためこちらの方が難しくなっています。

でもかくれんぼだって、相手のクセや場所の特徴をつかめれば、だいたい探すところも限られてくるでしょう。そういう意味で、平面図形にだって攻略法はあるのです。

”形”に反応できるようになろう!

平面図形に取り組む際に最も意識して欲しいこと、それは形に反応できるようになることです。

平面図形の問題って、複雑な図形が描かれていることが多いですよね。円の中に三角形がいくつかあって、線が重なって…という感じです。頻出問題でない限り、それまでに見たことのある形がそのままでてくることはないでしょう。

そんな中で大事なことは、そういった初見の図形の中から「ポイントとなる形」を見つけ出すことなのです。ポイントとなる形は「気をつけるべき性質」「定石となるやり方」などのヒントを教えてくれます。それを手がかりに問題を解いていくべきですし、そこに気づけなければ答えが出ないというシチュエーションがほとんどでしょう。なぜなら、出題者はそういったポイントが使えるかどうかを見るために問題を作っているのですから。

たとえば以下の図を見てみましょう。

Rendered by QuickLaTeX.com

点Oが円の中心だとしましょう。このとき、円の性質として∠ABCは90度ですね。
これはかなり意図的な設定ですし、問題中にこんな形が含まれていたとしたら確実に気づかなければいけないところです。

つまり、このような「ポイントとなる形」が複雑な図形の中に隠れていてもきちんと見つけられ、ポイントとなる図形からきちんとヒントを得られるようになること。これが最も重要なことであり、形に反応できるということの意味なのです。

答えから逆算して考えよ!

これは平面図形の問題以外でもよく使う考え方ですが、平面図形の問題、特に証明問題には効果てきめんな考え方だと言えます。

たとえば、以下の図において「三角形ABCとEDFが合同であると示せ」と問われたとしましょう。

Rendered by QuickLaTeX.com

合同条件で示したいところですが…このとき何も言われていなくても、合同なら対応する辺や角度が等しいだろうということは推測できますよね。そして、じゃあこの推測が正しいと示すための証拠を集めれば良いのだな…そして合同条件に着地すれば良いのか…と分かります。

このように、

示したいこと←示すために必要なもの←さらにこれを示すために必要なもの…

というふうにゴールから逆算して考えることで、答えへの見通しが非常に良くなります。
特に、初期設定だとどうすればいいか迷ってしまう(かくれんぼのような)平面図形の問題では、示したいことから逆算することで取るべき選択肢を絞れるので便利なのです。

まとめ

以上をまとめると、平面図形を解くときは、

  1. 知っている形に反応して、ヒントを得る。その形からの定石のやり方があるようなら、それをする。
  2. 示したいこと・欲しいものが明確なら、そこから逆算して手順を考える。

この2点を意識すると良いでしょう。

次回からは、知っておくべき形そこからどう反応すべきかということを中心に学んでいくとします。頑張っていきましょう。

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