今回扱うのは、将棋だおし法という考え方です。
座標の上で長方形を扱う問題では、この考え方を使うことで次々と頂点の座標を求められることがあります。
この考え方を知っているだけで、問題を見たときにぱっと方針が立てられるかどうかが変わってくるでしょう。難しくはないので、こういう考え方もあるのね~くらいの気持ちで読んでもらえれば大丈夫です。
今回のポイントはこちら。
軸と平行な長方形の頂点座標は、将棋だおし法!
将棋だおし法とは
辺が軸と平行な長方形
将棋だおし法は、辺が軸と平行な長方形に対して使うことができます。
そしてその考え方の本質は、「そのような長方形では、隣り合う頂点同士はx座標or y座標のどちらか一方が等しい」ということです。例えば、以下のような図を見てください。
この長方形ABCDにおいては
- 点Aと点Bはx座標が等しい。
- 点Bと点Cはy座標が等しい。
- 点Cと点Dはx座標が等しい。
- 点Dと点Aはy座標が等しい。
という関係が成り立っています。
これを用いて、1つの頂点から他の頂点の座標を出そう!というのが将棋だおし法なのです。
将棋だおし法の使える設定
それでは上で紹介した長方形の性質を用いて、将棋だおし法を学びましょう。
将棋だおし法の考え方は以下の通りです。
- 既に座標が分かっている(or文字で表せている)頂点を1つ選ぶ。
- その座標から、隣の頂点のx座標かy座標が分かる。
- 隣の頂点が乗っているグラフの式を利用して、もう片方の座標を出す。
- 1.から3.を繰り返す
この順番で考えていくと、4つの頂点全ての座標を出すことができます。
以下の例を見てみましょう。
この図では、辺が軸と平行な長方形OACDがありますね。ここで既に分かっている座標はAとOです。
では、点Aから将棋だおし法を始めてみましょう。隣の頂点で分かっていないのは点Bなので、点Bの座標を出します。2点はx座標が等しいので、Bのx座標は1。Bはy=-x+2の上に乗っているので、y座標は1。よってB(1,1)ですね。
次は点Bの座標を使って点Cの座標を出しましょう。2点はy座標が等しいので、点Cのy座標は1。このy座標を用いるわけではないですが、点Cはy軸(つまり直線x=0)の上に乗っているので、x座標は1。よってC(0,1)です。
以上で、全ての頂点の座標が分かりました。
例を見ても分かる通り、1つの頂点からパタパタと次の点の座標が求められています。これがまるで将棋だおしのよう(ドミノ倒しの方がわかりやすいかもですね)だから、将棋だおし法と言うのです。
というわけで今回のポイントはこんな感じでしょう。
軸と平行な長方形の頂点座標は、将棋だおし法!
今回の宿題
- 中学2年の単元「一次関数」などから、軸と並行な四角形が出てくる問題5問以上
を、今回の説明を意識して解いてみてください。
学校で配られた問題集でも、ネット上の問題でも大丈夫です。